
猫のトイレの置き場所は、初めからきちんと決めておいたほうがいい。
長年、私や学生が行っているのフィールドワーク調査では、
トイレの置き場所を洗面・脱衣所や人間のトイレに設定している例が多数見られた。
ただし、それと同時に多くの飼い主が、その選択に不満を持っている。
中には注文住宅で、わざわざ好んでそのようにしてもらったのに、それを後悔していると言うのだ。
猫のトイレを、洗面所(脱衣所・パウダールーム)に置くことで、
臭いが気になったり、足元に猫砂が散らばったりして、
人間が不快になることぐらい、猫飼いなら簡単に想像できるはずなのに、
飼い主さんたちが、そのような、最良とは言えない選択をしてしまう理由はたった一つ。
”日本の家には「防水性のある床」がほとんどない。”これに尽きる。
だから、一見、防水性のあるように思えるクッションフロアーが使われている部屋、
つまり洗面所(脱衣所・パウダールーム)ってことになるのだろう。
また最近ではシックハウス対策で、洗面所には必ず24h換気扇が付いているので、
それがその選択を後押ししている。
それから、ハウスメーカーの規格住宅なんかでも、そのような形式を、
「ネコ仕様」として提案している事例を見ることがある。
全体的に、プロならもう少し勉強するべきだと思う。
さて写真のは、私の仕事の例。パーフェクト。自画自賛。
やっていることは、
1)「ここがトイレだよね?」って猫が自分でわかるようにストーリーを組み立てる。
2)「臭気が拡散しない」ように換気扇を目立たない場所に取り付けトイレ周りを「負圧」にする。
3)「散らばる猫砂」を掃除しやすいように、他の場所より床の高さを少し下げる。防水する。
4)「猫砂収納」を直近に設ける
ちなみにこの事例では、トイレの上部が、猫の水のみ場。
2,3,4はこれから家を建てる人に参考にしてもらえたら良いと思う。
だけど(1)は簡単には真似できないと思います。なぜなら、トイレ以外の空間を丁寧に設計して、その関係性から生まれる話だから。
こっちのブログには違うバージョンの写真。
blog「動物の建築士さん」-猫のトイレ置き場を考える。答え。
テーマ : 猫と家?猫と暮らす住まいの工夫?
ジャンル : ペット