ちょっと昔を振り返ってみる。

私がファウナ・プラス・デザイン(Fauna+DeSIGN)という設計事務所を
事務所登録したのは確か2000年だったと思う。
法人化して、事務所登録をやり直したのが2002年。
ファウナ・プラス・デザインという事務所名(ファウナは動物の意)に
ふさわしい作品を作れたのは2003年だ。
つまり、3年間はろくな仕事をしていなかったことになるが、
この期間は「ペット(コンパニオンアニマル)と家」について
ひたすら研究していたので、今となっては無駄な空白期間ではなかったと思う。
そして幸運なことに、2001年にすばらしい2冊の本にめぐり合えた。
1冊は、Bob Walker&Frances Mooney(著)「The Cats' House」の小さい本。
普通の大きさをした初版は1996年に出版されている。
もう一冊は、Julia Szabo (著)「Animal House Style」。
この2冊の本にめぐり合ってなければ、
ファウナ・プラス・デザインは、Faunaを事務所名に付けながらも、
普通のありふれた設計事務所になっていたかもしれない。
Thank you so much!
と、唐突に書いておけば、日本語だらけの文章でも、
ボブさんらやジュリアさんが、もしこの文章を見つけ時、
なんとなく、私が感謝していることに気づいてくれるだろうか。
とはいうものの、この2冊は (私のバイブルであることには変わりないのだが)
実際には私のペット共生の住宅設計思想に、あまり影響を与えていない。
というのも、これらの本にあるアメリカの事例を
「日本の住宅」および「日本人の住まい方」にあてはめるのはとても難しいからだ。
単純に、
“家の中で土足で居る欧米人と靴を脱ぐ日本人の違い”は、プランニングからディテールに至るまで
形状としてつきまとう差異だし、脱nLDK論的に、“歴史が浅すぎる戦後日本の住宅のカタチ”を
何とかしましょうよという「壁」は常にそこに在るわけで、何よりも歴然と異なるのは
「ペット文化」の違いと成熟度だろう。
「ペット文化」と一旦は書いてみたものの、こんな表現でいいのかどうかわからない。
聖フランシスコを例えに出すか、それとも輪廻転生を信じるかで、
人と動物との関わりあい(ヒューマン・アニマル・ボンド)の性質が変わるのか?みたいにナンセンスな話だ。
でも確実にいえるのは、「日本人は家の中で犬や猫を飼うのにまだ慣れていない」ということ。
なので、行動学の本を読みながら、誰もやっていないフィールドワークを地道に積み重ねつつ、
(今は、東京の「中央動物専門学校・動物共生研究科」の学生さんにも参加してもらっている)
日本人向けの「ペット共生」の在り方を考案してきた過程のデザイン上の葛藤と、
それゆえにカタチとして現れた「やりすぎ感」みたいなものを
欧米の人達はそのまんまストレートに感じ取ってamazing!とかwow!とかawesomeとか言ってくれるんでしょうね。
で、だらだら夜に書いていたら何の話をしているのかわからなくなってきました。
あぁ、そうそう。これを書くためにエントリーしたんだった。
Apartment Therapyっていうアメリカのインテリア関係の大きいwebサイトがあって、
この間のmoderncat.netに引き続き、「猫の家 The Cats' House」が紹介されているんです。
それで、そこにも自由に書けるコメント欄があって、ある方が、
>I think this is based off the American book "The Cats' House" by Bob Walker in California.
>He and his wife created an amazing and colorful house for their cats.
http://www.thecatshouse.com/catshouse/index.htm
と書き込んでいたので、それに、That's right! と答えようと思っていたのでした。
でもね、ボブさんから10年経っているわけで、その間、猫の行動学に関する研究書も
すいぶんと読みやすくなったので、当然、私の作品も、
「問題行動の一部分を回避する装置としての猫と暮らす家」的な分野では、
ちょっと前に進んだはずだ。・・・・と信じたい。
私は、ボブさんを先駆者として尊敬しています。何より見ていて幸せになる本を世に出してくれたことに。
なので、「The Cats' House」という名称も、同じになっては申し訳ないので変えようかと思ったのですが、
私の英語のボキャブラリーではそれ以外思いつかないし、そのまんまだし。
で、一応、表記上は「猫の家 The Cats' House」と手前に日本語を付ける様にしたんです。
まぁそういうわけで、「猫の家 The Cats' House」は
実は日本よりも、アメリカ、カナダ、イギリス、EU各国、韓国、中国からのアクセスの方が
500倍近く多い不思議な現象が起きてしまっている日本語サイトなのですが、
なんだかせっかく外国から見に来てもらっているのに、
web翻訳を使ってもらうのは申し訳ないので、近々、すこしだけ、
英語の対訳をPHOTOのページにだけでも付けようかと思っています。でも、英語苦手。
だ れ か 、手 伝 っ て く だ さ い 。
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テーマ : 猫と家~猫と暮らす住まいの工夫~
ジャンル : ペット